« またも大地震・・ | Main | 蛇足ではありますが・・・あまりに素晴らしかったので・・・ »

巌窟王~第二十三幕~

巌窟王~第二十三幕~

故郷を模した渚を持つ
贅を尽くした豪奢な箱庭が崩れてゆく。
美しく豪華だが、空っぽの箱庭。
かつて貴方は言った、
「私の人生はこの箱庭のようなものなのです。」と・・・
貴方の魂は救われたのですか?
伯爵・・・・いいえ・・・エドモン・ダンテス・・・・

********

「忌まわしき亡霊め!!」
「受けとるがいい!我が復讐の鉄槌を!!」
フェルナンと伯爵の最後の戦いが始まった。
火花を散らす、剣と剣。
軋み、切り裂かれる鎧。
生身の体を剣で貫いても倒れない伯爵。
復讐の為、肉体も魂も巌窟王に捧げた。
死という安らぎさえもこの身には許されないのだから。

最後の別れをするように
そっと、エデの額に口づけをした伯爵。
エデは伯爵の元に駆けつけた。
例え私の言葉が貴方に届かなくても、
私の命がここで尽きようとも、
貴方を行かせはしない。
巌窟王に貴方の全てを渡しはしない。
「私は貴方を愛しているから。」

人質にとられたアルベールがフェルナンに向ける目は
真っ直ぐに自分を見据えたメルセデスと同じ。
愛している。
だからこそ、欺瞞に満ちた自分を見つめるその瞳に耐えられなかった。
愛している。
だからこそ、身勝手な愛情からお前達をこの手にかけた。
でも、もう失いたくない。
エデを離し、懇願するフェルナン。
「憎むなら、殺すなら俺にしてくれ!
大切なものを奪わないでくれ!」

「私が欲しいのは、お前の果てしない絶望だ」
響く銃声。

「私が、私が仕えるのは・・」命じられても、アルベールを撃つことが出来ないベルッチオ。
思わず、伯爵とアルベールの間に割って入り、銃弾を受けるバティスタン。
真に忠実な彼らは、命令に盲従することが伯爵の為に最善を尽くすことではないと知っているのだ。

巌窟王は言い放つ。
「時は尽きた。お前には救えぬ。友の心が分からぬお前には。」

僕には分からない。
人の命より、大切なものがあるなんて。
多くの人を傷つけ、罪のないフランツの命を奪うなんて。
伯爵、運命とは自分の手で切り開くものだと仰ったではないですか?
貴方の意志は、貴方自身はどこにあるのですか?
そう、僕には貴方の本当の心は分からない・・・
だけど、貴方の憎しみ、悲しみ、痛みをこうして抱きしめ、
貴方の頬に口づけをしましょう。
貴方のした事、全てを許すように・・・・

もがき苦しみ、涙を流し、心臓から血が溢れ出す・・・
「私は死ねない・・・この手でアルベールを殺すまで・・
ベルッチオ、私の手に復讐の剣を・・・」
もう、彼にはアルベールを殺せない・・・・
巌窟王から開放された伯爵は、血を流し暖かい体を持つひとになったのだから・・・
心臓から溢れる血は、静かに広がってゆく・・・
十字架のように・・・
エデとアルベールに手をとられる彼。
「どうか覚えておいて欲しい・・・私の名はエドモン・ダンテス・・・」
復讐の為に、自らを贄として捧げた身体と魂。
失ったものを見つけ、ようやく貴方の長い旅は終わった。

「走れ、走るんだ、真っ直ぐに!」
アルベール、私の人生は嘘で塗り固めたものだったが
お前のこれからの人生は違う。
私はもう逃げない。
自分の犯した罪から逃げない。
「・・・エドモン・・・」
崩れていく箱庭に残り、
もう物言わぬ、かつての友の亡骸の傍に跪くフェルナン。
25年もの長きにわたり、ただただ復讐の為に生きたエドモンの
辛く哀れな人生、その悲しみや痛み、憎しみを想い
初めて友の為に流す心からの涙・・・・

エデ、伯爵は貴女が共に死ぬことを望んではいない。
覚えていて、エドモン・ダンテスを・・・
そして、彼が望んだ「自分の夢の為に生きなさい」という言葉を・・・・

*******

箱庭は崩れていく。
愛するものを飲み込んで・・・
貴方自身に戻り、死を許されて、貴方は安らぎを得たのですか?
貴方の魂は救われたのですか?

・・・エドモン・ダンテス・・

*********

絶対に無理だろうなと思いながら原作のラストを望んでいました。
エデと伯爵が旅立っていくあのラストを・・・・
こうなる事は、分かっていましたが
このエドモン・ダンテスの一生は、胸が潰れる思いです。
悲しい・・・

あと、口づけはエデにして欲しかったな・・・・・
(これも、ストーリー上無理なんだろうけど・・)


|

« またも大地震・・ | Main | 蛇足ではありますが・・・あまりに素晴らしかったので・・・ »

アニメ・コミック」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/79912/3408456

Listed below are links to weblogs that reference 巌窟王~第二十三幕~:

« またも大地震・・ | Main | 蛇足ではありますが・・・あまりに素晴らしかったので・・・ »