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フリークス~心に棲まう怪物~

この映画は(チラシによると)1932年に後悔され、当時のNYタイムズ紙によると「人間に見せるべき映画ではない」と断じられ、以来30年以上にもわたり封印されていたという作品だそうだ。

サーカスや見世物小屋から何十人ものフリークス(畸形や異形のこと)を集め撮影されたこの映画を見ていると、鈍い怒りが込み上げてくる。

それは、フリークスを見下し、嘲笑するクレオパトラやヘラクレスに対する怒りでもあり同時に、良識という仮面を被ったものに対する怒りだった。

あからさまに、人を見下し蔑ろにする事も非常に腹立たしいが、奇麗事を並べながら実際は自分の下劣な心を良識という皮膜で隠している連中はもっと腹立たしい。

後者の代表がマスコミで、片足のレスラーの義足が外れた時にボカシを入れたりするくせに(これには賛否両論あると思うが、私はおかしいと思う。彼は片足でスポーツエンターテイメントの世界で仕事をしようとしていたのだから)、呆れかえるような報道をするのだから。(私がよくお邪魔するParallel Universeのになになさんが、マスコミの酷さに言及していらっしゃたけど、本当にそうです。報道はバラエティではないのに・・・)

少々、話が横道に外れてしまったけれど、人の醜さを暴く映画だと思う。

「人、人、人・・・・。なんという醜さ・・・・」

そう呟きながら、私自身の中にも醜い心はある。たとえ、体の不自由な人に偏見が無いとしても別の形で醜い心が自分の中に存在している。

人の心は美しさ、醜さ、残虐さ、やさしさ、様々なものがまだらに散りばめられている。

だからこそ、この映画は怖い。

「私、人、私・・・・。なんという醜さ・・・・」

そう、自覚しなくてはいけない自分の心にも怪物が棲んでいるのだと。

******

高部雨市氏の「君は小人プロレスを見たか」という本(非常に興味深く面白い)を数年前に読んでこの映画を知りました。

私は体の不自由な人に対して偏見が無いほうというか、気にしないので(むしろ無神経といった感じなのか・・)、ここに出てきた人達を見ても「あぁ、椅子とか体に合わせないと使いづらいよね~」といったことのほうが気になるくらい程度でした。大体、私だって今はたまたまこういう体だけど事故に遭ったりしたら、同じように不自由な体になるんだし。

でも、やっぱり自分の中に向かうベクトルは違うけどとんでもない怪物がいると分かっています。

思わずため息がでてしまったことは、この映画を見終って、公式HPを覘いたんですが出演した体の不自由な人の間でも、差別があったそうです。

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