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RIZE

RIZE

全米で最も危険な地域LAサウスセントラル。
そこでは、頻繁に殺人事件が起こる。
ギャング同士の諍い殺し合いは勿論、普通に通りを歩いていても運が悪ければ面白半分に撃ち殺されることもあるという。
ここで育った子供たちの多くは、いづれかのギャング団に入る。
誰にでも死は訪れると言うけれど、サウスセントラルの子供たちのそれはあまりにも早く、理不尽で無残だ。

トミー・ザ・クラウン。
彼はカラフルなアフロのカツラを被り、顔にはこれもまたカラフルなペインティグを施し、まさに道化師の姿でサウスセントラルの子供たちにダンスを教える。
彼の教えるダンスは、クランプ・ダンスと呼ばれるもので特にこれと言った決まりは無いようだが、身体を痙攣させるように激しく動かすのが特徴だ。
やがて、様々な流派を生み出していくのだが。

銃を持つ替わりに、人を殺める替わりに、ダンスを・・・。

激しい怒り、悲しみ、憎しみ、喜び、人や自分自身や社会などに対する遣り切れない感情をダンスに換える。
彼らのクランプダンスは言葉を失うほどに圧倒的だ。
フィルムを早回ししているのではないかと思うほど、早く激しい。
美しいというより、人間の感情の根源を揺さぶるように激しい。


特に「バトル・ゾーン」でのクランプダンス同士の対決は凄まじい。
まさに戦い。それも、互いの魂を全てをぶつけ合うような。
見ている我々も心が震え、身体が震える。

トミーがいなければ、クランプダンスがなかったら、きっとギャングに入っていただろうと語る若者たち。
劣悪な暮らしの中で見つけた小さな希望、クランプダンス。
けれどサウスセントラルはサウスセントラルのまま。
今日も誰かが命を落とす。
日常の出来事として。

それでも、トミーのダンスに目を輝かせて、楽しげに真似る子供たちを見ているとほんの少しづつでもこの子達を取り巻く世界が変っていく事を願わずにはいられない。

*****

久々のドキュメンタリー映画でしたが、やっぱりドキュメンタリーは面白い。

それにしても、「ダンスかギャングか?」という二者択一というのは選択肢に恵まれている我々からすると信じ難い状況ですが、サウスセントラルで生まれた彼らにとってはどうにも動かすことの出来ない現実なんですね。(だからこそ彼らのダンスは鬼気迫るものになるんでしょうが・・・。胸の痛む現実です)

これはダンス映画ですが、以前に見た「フープ・ドリームス」というドキュメンタリー映画も凄く面白かったですね。こっちはダンスではなくバスケットなんですが、煮ても焼いても食えないようなバスケのコーチやスカウト達のインタビューを聞いてると「貧しく才能のありそうな選手をスカウトするのは単なるビジネス」ってことを痛感しました。そして怪我でもして使えなくなると、「はい、サヨナラ」。(また、選手も選手で考えなく学生のうちに結婚しちゃって子供までつくってしまうんだ・・・。ちっとは考えないと!駄目だよ~)

ま、それはともかく、このRIZEは凄く面白い映画でした。お勧めです。ダンスシーンも是非、映画館で見ていただきたい。

ところで、インタビュー受けてた母さんが八百屋で大根買ってきたみたいな口調で「今は足を洗ったけど、私もギャング団に入ってて~」って言っていたけど、簡単に抜けられるのかな?ギャング団?(日本だったら指の一本や二本、詰めるとこだなぁ~)

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