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父の目

うちの父はよく勘違いをする。

というか、彼の話を聞いていると「??」と思うことが多い。

まず、父にとって黒人俳優は常に一人だけである。

どの黒人俳優も「エディ・マーフィー」なのだ。

ダニー・クローバーもウィル・スミスもデンゼル・ワシントンも皆、「エディ・マーフィー」

年齢や体形を超越して全て「エディ・マーフィー」

白人俳優は基本的にクリント・イーストウッドとチャールズ・ブロンソン以外はゴッチャである。

多分、ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードの区別もつかないだろう。

黒人歌手は基本的に皆、「スティービー・ワンダー」である。

恐らく、マイケル・ジャクソン以外は全て「スティービー・ワンダー」なのだと思う。

故レイ・チャールズなどは、確実に父の中では「スティービー・ワンダー」になっていた。

父と家で映画やテレビを見るたび、「こいつはアレだろう?エディ・マーフィーだろう?」などと聞かれ、最初のうちは「いや、彼はダニー・クローバーだよ。」などと説明していたがいい加減、覚えてくれないのでこちらも面倒になり、全て「エディ・マーフィー」で統一することにした。(母は何度も訂正し、一向に覚えない父に毎回キレているのだが)

自分でも少々、不親切な気がするが別に他所様に迷惑をかけるわけでもないので別に構わないだろうと思っている。

そんな父がある日、横で本を読んでいる私にホクホクと話しかけてきた。

「おい、すいちゃん、この子は誰じゃ?」

父が指差したのはテレビ画面でそこには目薬か何かのCMに出ている、当時まだ十代前半の滝沢秀明くんが写っていた。

「あぁ、タッキーだよ。」

「へぇ、スゲー可愛いな♪」

「(そーゆー趣味があったのか??と思いつつ)ジャニーズのタレントだよね」

「へぇ、女の子なのにか?」

「(あぁ、勘違いか・・)いんや、男の子だよ。」

「嘘つけ!!お前なんかよりずっと可愛いぞっ!!」

「あたりまえじゃん、ジャニーズなんだから」

と、このように暫く「男のだよ」「いや違う、女の子だ」と押し問答になった。

押し問答の末、父は

「・・・・・あんな可愛い子が男だったら・・・ワシはホモになってやる!!」

と断言した。

「あぁ、そう。本当にホモになるんだね。ふ~ん、男に二言は無いね。(面白い、なって貰おうじゃないの)」

と私が言うと、父は何度も「ホモになってやるって!!」と繰り返した。(何度も断言しなくても分かったってぇ~の)

この話を後で台所にいた母に話すと

「や~ね。馬鹿ね~、本当にホモかもね~」などとウンザリしていた。

まぁ、私は父がホモだろうが別に個人の自由だし本人同士の了解があれば別に構わないんだが・・・と思っていたが、あることにフト気付き父のいる居間に引き返して、

「お父さん!(タッキーが男か女かはともかく)娘より年下のアイドルを見て喜ぶのは、いかんだろう!!」

と、忠告した。

すると父は顔を赤くして

「馬鹿っ!!ワシはあんな子が娘だったら、可愛いなと思っただけじゃ!!」

と怒鳴り返してきた。

・・・・なるほど、現状に不満があるんだな。にしても、顔を赤くして意外に純情だな・・・・

*****

父が女の子と勘違いしていたタッキーも今ではしっかり青年になっているようで。

父が断言したとおりホモになったかというと、なっていません。(多分)

まず間違いなく忘れているだろうから、(面倒なので)私も一々言いません。無駄だから。

それにしても、父よあなたって人はどんな目をしているんでしょうね~。

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