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怪~ayakashi~ 化猫

化け物は何処にいる?

きっと人の心の中に

*****

化猫をつくり出したのは人

紛れも無く、人

「真とは事の有様 理とは心の有様」

それが解れば、もののけを切ることが出来る。

化猫をつくり出したひと、伊行の語る「真」と「理」

25年前、戯れに花嫁をさらった。すぐに帰してやるつもりだった。けれど、その娘は自分から縋りつい来た。だから綺麗な着物を着せ、美味い物を食べさせて、綺麗な部屋に住まわせた。ある日、娘は死んでしまった。

けれど、化猫が薬売りに語った「真」と「理」は違っていた

さらわれた花嫁は豪奢な檻に放り込まれた。「帰して」と口にすると待っていたのは止むことの無い暴力と暴行。ぼろ布のように扱われた日々。

心を慰めてくれたのは試し切りされた中で唯一生き残った、子猫。

「お前だけは自由に・・・」

救いようの無い暴力と暴行の果てに命を落とした、たまきの魂を宿した猫は化猫になった。

・・・伊行・・・貴様、何を言う。

・・・化猫よ、八つ裂きにしようが構わない。お前の望むままに好きにすればいい・・・・

そう思っていると薬売りは

化猫の「真」と「理」としかと受け取った   そのうえで切るという

なぜ・・・たまきの為に涙を流した加世とあまりの惨さに目を背け心を痛めた小田島を巻き込まないためか・・・

いや、違う。

化猫のためだ・・・きっと。

たとえ伊行を殺しても化猫の恨みと哀しみは消えない。

この屋敷に縛り付けられる限り、化猫は救われない。

「真」と「理」をみせた化猫がこぼした大粒の涙のようなもの・・・

あまりにも哀しくて出来ることなら、それを拭ってやりたいと思った。

「お前だけは・・・自由に・・・」

薬売りは化猫が真に望んでいることが解っているのだろう。

だから・・・もののけを切る。

薬売りがもののけを切った後に残されたのは

愛らしい黒い小さな猫の死骸。

ずっとずっとこの豪奢な檻から出ることが出来なかった、小さな体。

・・・辛い・・・

加世と小田島がこの猫とたまきを弔ってくれた。

ちょっとだけ救われた気がした。

化猫・・・お前はこれでやっと自由になれたのだろうか・・・

白無垢の花嫁の姿が屋敷を出て行くのが見えた。

生きてここを出たかっただろうね

この屋敷にはもう何も無いよ。

年老いた伊行に残されたのは自らが守ろうとしたものの残骸。

この屑みたいなものの中で彼は朽ち果てていくだけだ・・・・きっと。

*****

人は心の中に化け物を飼っている。

人の存在も尊厳も命すら蹂躙するようなとんでもない化け物だ。

けれど、私も化け物を飼っている。

たまきを蹂躙している伊行達が浮かべる表情(もっとも醜い笑い方だ。あれを見ると怒りで体が震える。あの表情を何度も見ているから。大嫌いだ。)を見ている時、自分の中でこの化け物が大きく膨れ上がってくるのを感じた。

化け物を飼っていることには変わりないのだから、きれい事なんて言わない。

私も伊行達となんら変わらない。

飼っていると解っているから、こいつを押さえつけることが出来るだけで。

化け物の主人は私だから。

でも、化け物を飼っていることを忘れたら、化け物に喰われて化け物になってしまうだろう。

それが恐ろしい。

****

というわけで、「怪~ayakashi~」の化猫のレビューでした。

実はこれ最初の四谷怪談で挫折して見ていなかったんですが、いつもお邪魔するサイトさまが大絶賛していて(おかげで素晴らしい作品に出会いました。本当にありがとうございます。)、再放送をするというので見ました。

いや、本当に素晴らしい!!面白かったです。

辛い辛いお話なんですけどね。

それにもうなんて言っても絵が素晴らしい。特に背景が。

凄いなあれ、面白いし綺麗だしどうやって作ったんだろう?

劇場版にしたっていいくらいのクオリティ!!動きもカッコイイし、話のテンポややり取りもとてもいいです!

文句なしの傑作でした。

本当に。

この作品を作った方々、あと大絶賛されたになになさん・・・みなさん本当にありがとうございました。

とてもとても楽しんで、哀しみました。

感謝します。

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Comments

ブログ見て下さったうえにお忙しいのにコメントまでして頂いて本当にありがとうございます。
とても嬉しいです。

「四谷怪談」でどうも私向きじゃないなと思い、視聴を止めてしまったんですが、になになさんのレビューを読んでこれは機会があったら是非見なければ!と思っていました。
お蔭で「名作」を見ることが出来ました。
お礼を言わなくていけないのは私のほうです。
本当にありがとうございました。

あまりに良い作品なので「他の方のレビューを読んだ後に自分のレビューは書かない」というモットーを破ってレビューした唯一の作品です。(それほど素晴らしかった)

ストーリーもビジュアルも全て言うこと無しの作品でした。
もぉ、背景の構図とか襖に描かれた絵とも気になって気になって・・・
センスの良さに脱帽しました。
もともと日本の絵画は非常にマンガチックで表現が自由で規制が無いからアニメーションに向くものだと思うのですが、あの動きと絵のセンスは素晴らしかったです。
ため息が出ました。

このところ忙しかったんですが、ちょっと疲れが溜まると、になになさんの「ガラ艦」のレビューを読んで元気を貰っていました。(コメント入れたの私です)
何度読んでも面白いし、作品への愛情が感じられて本当に元気をもらいました。
この作品もになになさんのレビューが無かったら見なかったものの一つでした。(放送時間が深夜過ぎたので)

本編は勿論ですが、OPの宇宙空間で切り結ぶヴェッティ様とクレオ。2期のEDで「これは誰じゃ??」と思ってしまうイラスト。(特に「マトリックスポーズ」を決めるミシェルが・・・凄い)
なにからなにまでルネッサンスな笑撃作で本当に楽しみました。
22話のレビュー、とても楽しみにしています。

今週末は恐らくブルーとお別れすることになりそうですね。ブルーの「ソルジャーとしての最後の生き様」をしっかり私も見届けたいと思います。
週明けにはいよいよコードギアスも放送されますし、ちょっと落ち着かない感じです。こちらもになになさんのレビュー楽しみです♪


私がになになさんのレビューがとても好きな理由は「とても良心的」だからです。
とても良心的だから読んでいて楽しいし、気持ちいいレビューです。
いつも楽しいレビューありがとうございます。
これからも楽しく拝見させて頂きますね。


Posted by: とも | July 25, 2007 at 10:00 PM

おお、ともさんもご覧になったのですね、化猫。
ともさんらしいとても素敵なレビューでした。
本当にやるせなく、哀しく、憤る物語でしたが、
最後の最後、ほんの少しだけ救いがあったような…

自由になること。
薬売りはこれからどうするんだと聞きながらも
小田島に変化を強要する事はしなかったり。
もしかしたら小田島はあのどうしようもない
主人を、それでも支えていくのかもしれません。

よい作品が多くの人に見てもらえるように、
少しでもスポークスマン的な役回りができると
レビュー屋としては本当に嬉しいことです。
こちらこそあんなつたないレビューやコメントで
この名作を見てくださってありがとうございました。
あ、私が言う事じゃないって?ごもっとも~(笑)

Posted by: になにな | July 25, 2007 at 06:10 PM

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