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ペルセポリス

「おばあちゃん、なぜいつも良い香りがするの?」

「毎朝、ジャスミンの花を摘んでブラジャーの中に入れているからだよ。」

*****

マルジはブルース・リーが大好きなお転婆な女の子。

正義感が強く毒舌家のおばあちゃん、自由主義の両親の深い愛情を受けて育っていた。

時に、友達に意地悪をしたりするけれどそんな時は神様がマルジに会いにきてマルジを諌めてくれる。

けれど、猫の目のように変わるイランの情勢がマルジの人生を変えてゆく。

好奇心旺盛なマルジを「我が人生の星」と呼び、「知ることの大切さ」を教えてくれたおじさんは投獄され処刑された。

イラン・イラク戦争が始まり、抑制的な法律が制定される。

それでもロックを愛し、おしゃれを楽しむマルジ。

自由を謳歌する心をヴェールの下に隠しながら。

空爆は日に日に酷くなり、ある日マルジは現政府を讃える教師をやり込めてしまう。

けれどそれはとても危険な事だった。

両親はマルジのことを思い、ウィーンへ留学させることにする。

*****

テヘランからウィーンそしてまたテヘランへ・・・・

ひとり異国で暮らす寂しさ、初めての恋、クスリもやった、失恋もした・・・・自分は決して欧州人になれない・・・・

「帰りたい。でも、何も訊ねないで・・・」

両親は何も訊ねることはしないでただ暖かくマルジを迎えた。

けれど・・・・

*****

祖国の将来を憂い、「今度は二度と戻ってきては駄目」と言って娘を異国へ送り出さなくてはならない母の気持ちを思うととても辛い。

マルジはもう一度、祖国から旅立つことによって「自由」を得たけれど、その代償は大きかった。

帰りたくても帰ることのできない故郷

雨に濡れるオルリー空港は冷たく、哀しい

*****

この映画は、一人の少女の半生を描くと同時に母娘3代の絆を描いた物語でもある。

愛情深く、自由で豊かな精神を持った女性達の話で、とても素晴らしい。

自由主義の強く優しい母も素敵だけれど、殊に素敵なのはおばあちゃんだ。

おばあちゃんの言葉はとても深い。

「いつも公明正大でいなさい」

「恐れが人に良心を失わせる。恐れが人を卑怯にもする」

そう語る一方で、「(夫を)もう、愛していない」と泣く孫娘に

「離婚すればいい。私も55年前に離婚した時は離婚する人なんていやしなかった。でも、あんな男と離婚して良かった。最初の結婚なんて予行練習よ!」

と、ケロケロと言い放つ素敵さ♪

そのくせ女性らしさを否定せず、そっと胸にジャスミンの花をしのばせるところもある。

どんなに抑制されていても、心のありかたや精神はその人次第でどこまでも自由で豊かになれるとつくづく思った。

ヴェールの下に隠された、女性らしさを大切する心、深くて美しい精神に胸が暖かくなる。

と同時に彼女が自由を得たかわりに支払った代償の大きさが胸に突き刺さる。

*****

今年、初めて見た映画がこのペルセポリスで本当に良かったと思いました。

モノクロのアニメーションがとても美しい素敵な映画です。

特に女性に見て欲しいですね。

イランといえば「運動靴と赤い金魚」も凄く好きな映画ですね。

あれもとても心に沁みる映画でした。(本当に優しく美しい映画)

なんだかまた、見たくなってきましたね。

素敵な映画を本当にありがとう。

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