気持ち悪い
バブルの頃、好景気を伝えるニュースを見ながら
「気持ち悪い」
と思った。
恥ずかしい話、私は経済に疎い(勿論、経済に限らず色々と知らないことが多く恥ずかしいが)。「ハゲタカ」を見てても「へぇ~」と思うことが多く恥ずかしかった。
だから、経済に対する深い知識は無い。せいぜい、小中学校で教わった知識くらいしか無い。(まぁ、それすらもかなり怪しいのだが)
私自身が考える経済は基本的に「生態系」だ。
草(商品や金)に対して草食獣(消費者)がいる。どちらが増えすぎてもバランスを崩し、その生態系は壊れてしまう。自分でも単純だなと思うが私にとって「経済=生態系」だ。
だから、物が溢れ金をもてあまして浮かれている様子はひたすら気持ち悪かった。なにかがおかしいと思った。
異常な好景気はバランスを崩した生態系にしか見えなかった。
その頃の日本は「輸出大国」で、欧米先進国から「輸出過剰なんだから、こっち(欧米先進国)のことを考えて輸入を増やせ」などとイチャモンをつけられていた(日本車を燃やしたりして鬱憤を晴らすなんてこともしていたな米国は・・・お笑いである)。しかも貿易の決済はドル建てで、輸出する日本だけが円高の損を被っていた。それは、自分たちこそが“先進国”で“日本”を“異人種の国”と考える欧米の傲慢さからきたものだと思う。
下々の者である私たちは「だったら『日本製』よりも、もっと良い製品を作って出直して来い」と新聞に向かってアッカンベーとやっていたが、日本は欧米先進国に胸を張って「自国の製品の優秀さ」や「売り出すための努力」を教えることも「あと、買う買わないはあなた方の判断次第」だいうことも言わなかったようである。
しなかったから「内需の拡大」を要求された。けれど、物が充分にあるのに内需の拡大なんてしようがない。
金が充分ある日本で、企業は自前の金を持ち、銀行は仕事を増やすために低金利のバーゲンセールをしていた。とんでもない話である。
そこへ、必要の無い「内需拡大」である。
過剰な餌はゴミの山となり、「不景気」というツケがバブルの後に残された。
日本の好景気が終わった時は
「仕方ない、それまで日本人は充分に傲慢で、色々な問題を丸投げしてきて言うべき事を言わなかったのだから」
と思った。
けれど、首が回らなくなるほど溜まったツケを一体どうやって払っていくのだろうか?
今も、まだそのツケを払いきってはいないと思うし、あれから我々は何を変えてきたのだろうかと疑問に思う。
あるIT企業の某社長が表舞台に出てきた時に、マスメディアは彼を「時代の寵児」としてもてはやした。
新しく生まれた「上流階級」(セレブでもいいのかな)みたいな扱いで、テレビ番組にも出演させていた。(正直、私には“成金”にしか見えなかったが)
が、彼の矛先が自分たちテレビ局に向くと慌てふためき、彼が逮捕されるやいなや鬼の首をとったような騒ぎだった。
バブルが弾けてから随分と経つのにまだこんな茶番劇を演じているのかと思った。いつものことだけれど。
新しいランドマークが次から次に建ち、今や六本木ヒルズも静かなものらしい(私は映画館と美術館しか行かないから分からないけど)。
相変わらずのスクラップ&ビルドで、豊かさを追求することを選んだ我々はあたりまえのように「消費の為の消費」を続けている。
“豊かさを追求することだけがゴール”なのか。
世界中の高級食品やブランド品を所狭しと並べていながら、「農薬入りギョーザ」で慌てふためく矛盾。
もう、バブルのツケを払い切ったのだろうか?そしてあれから、何を変えられたのだろうか?
単純な私にとって経済は相変わらず生態系であって、やっぱり今もバランスが崩れているようで「気持ち悪い」と思っている。
「気持ち悪い」ならなんとか変えたいものだけれど、「気持ち悪い」と思っているのが私だけなのかもしれない。
でも、相変わらず気持ち悪くて仕方が無い・・・・
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