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さよなら、バルサ

ようやく「精霊の守り人」の最終回を見ました。

いや~、凄く良い最終回でした。本当に良かった。
「バルサ、チャグムって呼んで・・・・さようならチャグムって、言って」
と言うチャグムの言葉にまたすぐにでも会えるような明るい口調で答えるバルサ。
「あぁ、さよなら チャグム」

本当に良い別れでした。
寂しいけれど、かなしい別れじゃないから。
また新たに歩き始めるための別れだから。

これから皇太子として英雄として生きることになるチャグムが子供でいられた、ただのチャグムでいられた時間はもうこれで終わり。

皇太子になんかなりたくない、バルサとずっと一緒に旅がしたいと泣きじゃくるチャグムに「私と一緒に逃げるかい?え?ひと暴れしてやろうか?」
と茶目っ気いっぱいに答えるバルサが素敵だ。
その言葉に戸惑うチャグムが可笑しい。
きっとチャグムはバルサに
「馬鹿なこというんじゃないよ」
とたしなめられると思っていたんでしょうね。

バルサの言葉に戸惑うチャグムがタンダとトロガイ師に目を向けると二人はチャグムにそっと頷いた(本当によい場面だったな~)。
この時チャグムは自分が皇太子になろうと帝になろうと二度と会うことがなくても、タンダやトロガイ師そしてバルサの心の中にはいつでも“ただのチャグム”の居場所があると思ったんじゃないかな?

バルサと過ごした時間、市井の人々と暮らした日々、過酷な運命もまた、これから多くの人の上に立ち英雄として生きるチャグムを支える力になるけれど、大切な人達の心に自分の居場所があると思えることは生きて行くための心の支えになる。きっと。

だから、チャグムは
「ううん、暴れなくていいよ。」
と涙を振り払って笑顔でバルサに言ったんだろうね。
ついでにタンダを慌てさせるようなことまで言って(あぁ、もうそこで慌てるタンダって・・笑)。

目に涙を溜めて・・・でも、決して振り向かずにバルサと別れたチャグム。

宮の人々はチャグムを敬愛し、全力で尽くしてくれるはず。それでもチャグムにはこれから上に立つ者の孤独と重責が圧し掛かってくるだろう。
でも、大丈夫。チャグムは聡明だし、過酷な運命を乗り越えてこれたのだから。そして、この世界には“ただのチャグム”を想ってくれている人達がいるから。
きっと大丈夫。

それにしても、登場人物たちがみな愛すべき人物ばかりで本当に見ていて楽しかったです。

最後にトーヤとサヤ(すっかり若夫婦だよ)も出てきたからホッとしたし、

嫁の話が出ているタンダ(いや、タンダが嫁にいくわけではなくて、嫁を貰わないかってことなんですけどね)だけど、バルサ以外の女性と家庭を作るような不誠実な真似をするはずはないからまたバルサを待ち続けるんでしょうね(トーヤにまで気が長いと呆れられているし・・・ま、トーヤからしたらタンダは友達だからさ)。
でも、バルサにご飯を作ったり怪我の手当てしたりお茶を煎れたりするのはタンダ以外考えられないからね。
トーヤじゃないけど、今度はあまり待たされないといいね。タンダ。

トロガイ師は・・・あと100年生きて精霊の卵が生まれるのを見てください(笑)。
あれだけ飲んだり食べたり出来るんだから、あと100年は生きられますよ(笑)。

宮の人達も狩人達もみな良かった。
きっと彼等が全力でチャグムを支えてくれる。
サグム皇子だけは本当に残念だったけど、でも・・・チャグムが元気で戻ってきたからきっと安心しているよね。

ナージが運んだ精霊の卵が無事に海にたどり着いたのだろう、恵みの雨が大地を潤す。

「タンダの山菜鍋を食っていけば良かった」

と、バルサ。
国境を越えて目指すは故郷のカンバル。
そこには彼女しか弔えない人がいる。
バルサ、良い旅を。そして、チャグムや皆が幸せであるように。
そう願った素敵な作品でした。
本当にありがとう。

*****

最後にこの作品を薦めてくださった、になになさん、ありがとうございました!
本当に面白かったです。
良い作品に出会えて本当に幸せです。
そうそう、「下妻物語」は私も結構好きなんですよ。
今度、カサヴェテス監督の「グロリア」をケーブルで放送しますね。
お母様お勧めのブサ格好よいジーナ・ローランズを楽しんでください。

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Comments

になになさん、コメントありがとうございます。
「精霊」は本当に良い作品で、見終わってとても清々しい幸せな気持ちになりました。
になになさんが薦めて下さらなかったら見ることがなかったと思うので(放送されている事さえ知らなかったと思います)、本当に感謝しています。
素敵な作品に出会える機会を作って下さってありがとうございました♪
になになさんのお勧め作品で見ていないのは「プラテネス」(←凄く見たいんですがレンタル屋にないんですよ)と「妄想代理人」くらいでしょうか・・・なんのかんの云って結構見てますね(笑)。あっ、キートンはチョコチョコ抜けてる回がありますが。
レビューは難しいですね。確かに他の方のレビューを読むのは凄く楽しいけれど、自分が書くとなると・・・・時間も結構とられるし、文才が無いのでまとまらないしで・・・(後から読むとかなり恥ずかしい)。でも、面白い良い作品を見ると「感想くらい・・・いいか」と思ってダラダラ書いたりで。
になになさんの「精霊」のレビュー、凄く面白かったです♪
やっぱり良い作品だとレビューそのものもとても良いものになるものだなと思いました。
「精霊」の場合は、どんどんレビューが長くなっていって、になになさんがこの作品をとても大切に思っていることが読んでいる私にも伝わってきて幸せな気持ちになりました。
気持ちが伝わる良いレビューだなと思っています。
ツレが嵌ったアカギのレビューも楽しかったです。私は麻雀のルールを全く知らないのですが、声優(役者)さん達の演技合戦と妙な緊迫感、あの意味があるんだかないんだか分からない独特の台詞が面白くて見ていました。
麻雀が分かる人にとってはたまらないようですね(笑)
ちなみにツレは古谷氏の「駆け巡る鷲巣の脳内エンドルフィン~」のナレーションの時に
「あっ、関係ない物質まで云っとる!」とテンションがアゲアゲになっていました。
・・・あぁ、古谷氏と鷲巣さま同様におかしくなってる・・・と思ったものです。
恐るべしアカギ。
映画のレビューも楽しませていただいてます。
私も黒澤映画だったら「隠し砦の三悪人」「用心棒」「椿三十郎」が好きですね。
ゆっくり時間を取って「七人の侍」も見てレビューも拝見したいものです(涙)。
「ハウス」と「キャリー」が初めてというのはブログを読んだ時も思いましたが、厳しいですね・・・トラウマになりそう。それにしても、お母様・・・何故ホラー??
呆けた園児に「タワーリング・インフェルノ」ってのは難しくて、とりあえず「ビルおじちゃんがカッコイイ(我ながらどうかと思う感想)」と「ビルで火事にあったら死ぬ。高い建物は怖い」と思ったくらいでした(笑)。
になになさんがブログで書かれたように、確かに90年代の最初の頃は暖かく優しくそしてホロ苦いヒューマン・ドラマの佳作が多かったように思います。
「妹の恋人」「フライド・グリーントマト」「ショーシャンクの空に」「ギルバート・グレイプ」などなど・・・あと、出来たらここに「マイ・ライフ・アズ・ア・ドック」や「マルセルの夏」と「マルセルのお城」も入れたいかな。
これからたくさんのになになさんの映画のレビューを読ませていただけると思うと楽しみです。
まずは、「グロリア」ですね♪
楽しみにしております♪

Posted by: とも | October 04, 2008 at 07:07 PM

tennis「精霊の守り人」視聴完了おめでとうございます。
同時になんとなくレビューもコンプになってしまったのがともさんらしいですね。

レビューというのも視聴同様、読む分には楽しいし「う~ん、まさにその通り!」「その意見は私とは違うな」と好き勝手言えるものですが、実際自分がやってみると想像を絶する苦難の道があったりなかったり。
でも感想を一行二行で軽~く済ませる事がどれほどラクかしみじみとわかる反面、じっくり書き込んだものは我々がいかな記憶力がこぼれていく年頃とはいえ(しししし失礼な!)忘れないもの。
記憶を縫い付けるものとしてはやめられない、でも人生の残り時間を考えるとやってられない…ってな感じですかね。

おっと、話がそれました。
「精霊」はともさんのようなどっぷりとアニメ漬けというわけでもなく、かといって偏見を持って見ないわけでもないという最も大人的視点をお持ちの視聴者にはうってつけの作品だと思います。

私がそういう大人に薦められる作品は、今も再放送真っ最中の「巌窟王」、谷口監督の「プラネテス」、「妖(化猫)」、「蟲師」、「マスターキートン」かなぁ(実際大体ともさんもご覧になってますもんね)映画なら「東京ゴッドファーザーズ」は一般人にも受け入れられそう。

ちなみにオタクほどどっぷりではないけれど、もう少しアニメに慣れていてSFやファアンタジーもどんと来いの人だったら、さらに「攻殻」、「カウボーイ・ビバップ」、「サムライチャンプルー」、「妄想代理人」あたりも薦めますね。「ガングレイヴ」や「スピードグラファー」も薦めたいところですが、これはもう少しコアかつB級に理解のあるアニメファンでないとキツいかも。

「グロリア」は今朝早速録画したので楽しみです。今月は黒澤映画の「天国と地獄」もありますし、ギアスが終わってHDDの容量を一気に明けたのでわしわし録画できるぜと張り切ってます。わしといえばおツレさんにアカギに眼をつけられたのはさすがとお伝えください。エンドルフィン駆け巡ってますねとお伝えください。

私もニューマンの映画で好きなのは底抜けに明るくて、今は見るも無残にシワクチャになってしまったレッドフォードが若くて美しい「スティング」ですね。あの少しトボけたようなBGMが「スティング」のテーマと知った時は感激したものです(ゲームボーイの「大富豪」があのBGMだったんスよ)

ちなみに私が生まれて初めて見た「一般映画」は、以前もブログに書いた「ハウス」と「キャリー」の二本立てでした。それまで映画といえばディズニーかベンジーだった(東映まんがまつりのような子供向けは絶対に連れて行ってもらえなかったので父に連れて行ってもらいました)母が、一体なぜそんなチョイスをしたのか今もって全くわかりません。ホントに怖かった…

Posted by: になにな | October 04, 2008 at 04:25 PM

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