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八月のクリスマス(日本版)

全てはいつか色あせて消えていくものだと思っていました
でも君に出会って その眩しさに触れて
僕は心底生きたいと思ったのです

君は神さまのくれた最高のプレゼントです

僕は君のことが本当に本当に好きでした

*****

父親から譲り受けた小さな写真館を営む寿俊は病に侵されて、残された時間は残りわずかだった。
寿俊は運命を受け入れひとり静かに消えてゆこうとしていた。
そんな寿俊の前に、小学校の臨時教員の由起子が現われる。
若く生命の輝きに溢れた由起子に心惹かれる寿俊、由起子もまた寿俊に想いをよせるようになる。
けれど残された時間がほんの僅かしかない寿俊は由起子に自分の気持ちを伝えることが出来ずに・・・

という、韓国映画の日本版リメイク作品。
オリジナルの韓国映画のほうは見ていないけれど。

良くも悪くも盛り上がることなく淡々と寿俊の日常が描かれる。

寿俊の残された時間がほんの僅かだと分かっているせいか、
「若い女性というのは、好意を寄せている男性(年上の)に対して結構残酷なものだな」
と思った。
30前後の相手に“おじさん”と言ったり(ウチの4歳の甥っ子でさえ私の顔を見て少し迷ってから「お姉ちゃん」と言って気を使っているというのに)、他の女性と親しげに話していたらその女性に対して少々威圧的な態度をとったり寿俊にツンケンしたり・・・
そうかと思うと、いざ飲みに行こうと誘われると急に不安になってすっぽかしたり・・・・

あぁ、こういう女の子いたな

と、リアルと言えばリアルな感じだった。

寿俊が由起子に惹かれたのは、いつもと変わらない変わりようが無いと思われた日常に突然飛び込んで来た輝くような未来をもった若い女性だったからではないだろうか。
自分がもう得る事ができない未来を持つ存在
限られた時間の中で由起子と過ごす僅かな時間が、静かに運命を受け入れていた寿俊の気持ちを変えていく。
生きたいと、出来る事なら由起子と同じ未来に向かって生きたいと。
一人自分の部屋で布団をかぶり嗚咽を漏らす寿俊の姿が辛い。

と、正直云って恋愛部分はあまり興味が無いのでこれ以上なんともいいようがないのが困る。

淡い恋愛と平行して描かれる寿俊の日常はやはり淡々としているが、こちらのほうが見ていて辛かった。
母が先に他界しており、妹は嫁いで家を出ているために寿俊が死んだら一人残される父親のことを思うと胸が痛む。
残されるものも辛いが、若くして逝かざるを得ないものも辛い。
本来なら、自分が看取るべき親を残して逝くのは心残りだろう。

*****

由起子に想いを告げることなく、静かに旅立った寿俊。

以前と全く変わらない時間が流れていく。ただそこにいるはずだった人がいないだけで。

縁側でスイカを食べる妹の横に寿俊はいない。
たどたどしい動作でDVDを見ようとしている父の横で、DVDの扱い方を教える寿俊はいない。

寿俊がいないだけで後は変わらない日常。

*****

最後に妹が寿俊の残した由起子宛の手紙を出すのだが、
劇場で見た時は手紙は気づかれないまま由起子に届く事無く、
ふと寿俊の顔が見たくなって写真館に立ち寄った由起子がそこで初めて寿俊が亡くなってしまったことを知った方がより切なくて良かったのではないかと考えたが、
今回、久々にこの作品を見てやはり寿俊の手紙が由起子に届いて良かったと思い直した。

短く控えめだった寿俊の人生が想いを寄せていた由起子の中にしっかりと言葉として残らなくてはあまりにも哀しいと思うから。

*****

恋愛映画にあまり乗れないせいか(楽しめる映画もあるけれど)、悪くないけど・・・まぁ、好みってのがあるしな・・・・と、なんとも困るタイプの映画でした。
家族とか写真館に来たお客さんとかのシーンは細やかな描き方で嫌いじゃないんですけど。
きっと、私に問題があるんでしょう。
劇場で見た時もそう思いましたね。
やっぱり今回もそうでした。

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