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フロスト×ニクソン

「私は君にとって最も手強い敵になる
スポットライトは我々の一人しか照らさない
もう一人には荒野がまっている」

二人の男はこのインタビューに人生を賭けていた。

コメディアン出身の英国テレビ司会者フロストは全米進出のチャンスを

ウォーターゲート事件の汚名にまみれて大統領を辞任したニクソンは政界復帰への望みを

最後にスポットライトに照らし出されるのはどちらか?

*****

フロストとニクソンのトークバトルがスリリングで面白い。
どちらも野心家でしかも残りの人生の全てを賭けて
このインタビューに臨んでいるいるのだからそれも当然かもしれないが。

フロスト、ニクソンの二人につくブレーン達の戦略も見所のひとつ。
戦略の緻密さがいかに大事かこれを見ているとよく分かる。
そして、その戦略を実践する役者の力量も。

主役二人の内面の描き方や、両陣営のブレーン達や周囲の人々の描き方も絶妙だった。

最後のインタビューでの流れは少々唐突だった気がしないわけではないが、
実際のフロストやニクソン、インタビューがどうであれ監督が描きたいのは
ニクソンやフロストの“複雑な人間臭さ”であるだろうから、
これはこれでいいと思えた。

前回見た「チェ」のように、ひたすらストイックにゲバラの行動を追っていくのと違い
こちらは映画としてのカタルシスを感じさせる作りでエンターテイメントとして良かった。
勿論、「チェ」の演出や作り方が映画として悪いというわけではなくて
監督の“狙い”の違いといった話である。
(「チェ 39歳 別れの手紙」は私はとても好きだ)

最初はあまりニクソンに興味のなさそうだったフロストが
ニクソンへのインタビューを決めたのはきっと
画面に映ったニクソンが一瞬だけ見せた
人間臭い素顔を目にしたからだろう。

とは言っても老獪な策略家のニクソンは恐ろしいほど手強いのだが。

地味で退屈になる可能性が高い題材をエンターテイメント作品として作り上げた監督とスタッフの力量に感心した作品だった。

*****

それにしても、メディアという媒体はとんでもない化け物だなと思うのと同時に
そのメディアを視聴率を通じて自分たちの好みに変えてしまう我々大衆の無意識の恐ろしさを感じました。

テレビにしろ新聞にしろネットにしろ、メディアの恐ろしさを
もっと真剣に考えた方がいいかもしれませんね。

以前に見た「グッドナイト・アンド・グッドラック」なども
マッカーシーを赤裸々に画面に映すことによって、
マッカーシー批判を成功させることが出来たことを描いていたし。

メディアはあらゆるものを欺き、あらゆるものを丸裸にしてしまう力を持ったものですね。
それを決して忘れてはいけないと思います。

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Tracked on April 14, 2009 at 01:01 PM

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