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消えゆく灯火

今月、恵比寿ガーデンシネマが休館する。

またひとつミニシアターの灯りが消えてしまうのが残念でならない。

ミニシアターがひとつまたひとつと消えてしまうの理由のひとつに若者のアート・シネマ離れというのがあるらしい。

そう言われてみれば、ミニシアターに足を運ぶと若者よりも年配のお客さんのほうが多いなと思うようになった。
“50歳の夫婦割引”だの“60歳以上1000円”だのと割安で見れるうえに時間に余裕がある団塊世代が多く足を運ぶようになったからだろうが、それにしても若者がめっきり少なくなったのはどうした事か?

チケット代が高い、単館上映なのでわざわざ見に行くのも面倒などなど理由があるだろうが、もし私がネットのニュースで読んだ「若者は映画をイベントとして楽しむことが好きで、映画を芸術として見る事が苦手だ。『泣ける』『笑える』といった単純で強い言葉しか彼等に届かない」などと言う理由で敬遠されているとしたら非常に悲しい事だ。
まさか、そんな事は無いと思うが。

結婚して自分の時間を以前より取れなくなったこともあり、このところ私もあまり映画館に足を運ばなくなったが学生時代から独身時代は割と足繁く映画館に通った。
ロードショー系の映画も見たが、ミニシアターでかかる映画はまた特別だった。

勿論、ロードショー系の映画も面白く非常に感動したり、スカッと大笑いしたりして大好きなのに変わりはないが、ミニシアターでヨーロッパやアジアの美しい作品やアメリカのインディー系の上質な作品に出会うと素敵な宝物を見つけたようで嬉しくてたまらなかった。
それは、時間やお金や面倒さなど吹っ飛ぶような喜びだった。

自分にとって「なんだこりゃ??」と思う作品もたくさんあったが、それでも自分にとって本当に素敵だと思える作品に出会えば多少“ハズレ”があっても構わない。

たとえ馴染みの無い国の映画でも、登場人物達の喜びや悲しみ怒りに共感することは出来る。国や文化が違っても、生きる事の哀しさや辛さそして可笑しさや楽しさを映画の中に見いだす事が出来る。

今よりも多少感受性が豊かだった頃に見れて本当に良かったと思っているし、そんな映画を多くの人が見てくれたらいいと常々思っている。そう、特に若い人に見てもらいたいのだ。

だから、「若者のミニシアター離れ」などと聞くと眉をひそめてしまうし、素晴らしい作品を上映してきた映画館の灯火が消えてしまうのはなんとも悔しいと思ってしまう。
ひとつミニシアターが消えるたびに、素敵な映画に出会う機会が失われてしまうのだから。

さて、ここで気を取り直して、恵比寿ガーデンシネマで再上映される映画のラインナップを見てみたい。

私のお勧めは「スモーク」、「扉をたたく人」、「モータサイクル・ダイヤリーズ」だ。
「ゴースト・ワールド」もなかなか面白かった(恵比寿ガーデンシネマはウッディ・アレンが贔屓のようだが、私は正直いまひとつ好きではない)。

「扉をたたく人」は以前レビューしたので割愛するが、「スモーク」は本当に大好きで生きる事の辛さ、哀しさ、可笑しさ優しさを見事に描いた作品だと思う。

「モータサイクル・ダイヤリーズ」は優れた青春映画でこれもまた大好きだ。
恥ずかしながら、映画を見てる間私は“チェ”ではなく、ただ優しく頑固で正義感の強い青年エルネストに恋をしていた。が、映画が終わればあっけなくクサクサした自分に戻ってしまうのだが。

どれも本当に良い映画だった。

そして、2月にシネセゾン渋谷もその灯火を消すのだという。
本当に残念で悔しい。

「家にばかりいないで、街に出て映画を見よう」
でないと、優れた作品に出会う機会が減ってしまう。

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