Petit Oiseau

私は子供の頃にセキセイインコを飼っていた。

頭も翼も背も尾羽も雪のように白く腹の部分だけが水色で真ん丸の真っ黒い瞳を持った綺麗な小鳥だった。

羽がまだ生え揃わない雛の頃から世話をしていたせいか、彼は私にとても良く懐いてくれた。

学校から帰ると私の足音を聞きつけた彼はいつも鳥籠の出口の前で待っていた。
私が近づくとまるで「早く遊ぼう」と言うように鳴き、扉を開けるとまた小さく鳴きながら私の頭や肩、腕に飛び乗り手や頬を軽くつついた。

鳥籠から出ると彼はいつも私の傍にいたかったようで、私が動くと慌てて後を追って来た。
彼はちゃんと飛ぶことが出来るのだが、おかしな事に私の後を追う時は小さな足で必死に走って来るのだった。
「羽があるんだから飛べば良いのに」
と可笑しくてしかたないのだが、絨毯に爪がひっかかり何度も転びながらも追って来る彼がいじらしく立ち止まって待っていると、追いついた彼は私の足の甲の上に飛び乗りながら抗議するように鳴き、今度はちゃんと羽を使って飛んで私の肩や頭の上に乗るのが常だった。

父が一番面白がったのは私の頭の上で遊んでいる彼が一声鳴いてから、パッと飛び立ち部屋を一周してまた私の頭に戻りそれを何度もそれを繰り返す事だった。

父や母の手や肩に彼を乗せると、彼はほんの暫くの間はおとなしくしているのだが慌てて私の方へ戻ってきた。
父と母は「お前じゃなくちゃ嫌みたいだ」と苦笑いしていた。

本を読んだり勉強する時に彼を部屋に放していると、私のすぐ傍なら良いのか机の上の本や鉛筆をつついたりして遊んでいた。
私の辞書には彼が遊んで開けた穴が今でも残っている。

時折、指を彼に差し出すと小さなクチバシで軽く噛み甘えた。
そして、指で彼の頭を軽くかいてやると目を閉じて気持ち良さそうに自分から頭を押し付けてきた。

犬や猫と同じようにこんな小さな鳥とも信頼しあえることがとても嬉しかった。

家の中では彼と遊び、外では犬と遊ぶのが私の毎日で彼も犬も大切だった。

でも、ある日その関係は突然途絶える事になった。

ベランダの横の木で遊ぶメジロを見ても、目の前を横切るセキレイを見ても、地面をつつくスズメを見ても、ふと思い出すのは青いお腹の白い小さなインコなのだ。

彼は小さな刺となり今も私の心の何処かに刺さっているのだろう。

小さな鳥を見るといつも胸の奥が疼くのだから。

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嘘つきおやじ

私の父は嘘つきおやじです(笑)

物心つく頃にはさすがに父の嘘を見抜けるようになったので(アホな嘘ばかりなので見抜いて当たり前だが)、さすがに騙されなくなりましたが小さい頃はよく騙されましたね。

「マジンガーZを見せてやるから目をつぶれ」
と云われたのでマジンガーZなんて存在しないと思ったけど、なにか良い物を見せてくれるんだと素直に目をつぶると思いっきり耳を引っぱられました。
「ぎゃー、嘘つき〜」
と園児の私が地団駄踏んで悔しがると
父は
「マジンガーなんてあるかい♪アホじゃ〜」
とヒーヒー笑って喜んだりしてましたね・・・(しかし、これが大人のすることだろうか?)

たまに仕事に行った先で父がお茶菓子をお土産に持って帰ることがあり(父は洋菓子は食べないが、お客さんに悪いので持って帰ってきていたのだ)、子供の頃それが楽しみでした。

ある日いつものように父を玄関まで出迎えると
「お土産じゃ」
と云って父があめ玉をくれました。
正直云ってチョコレートとかを期待していたのですが、まぁ無いよりはマシと思い「わーい!ありがとー!」と云ってその場で口に放り込みました。

が、何かがおかしい・・・しかも父がニヤニヤして私の様子を見ています・・・

「わーっ、これウチにある飴だ〜!騙された〜!!」

父は家にあった飴を仕事に持っていき、あまったのを私に“お土産”と偽ってくれたのでした。

「こいつアホじゃ〜♪♪」
と、床に転がり悔しがる私を見て父はヒーヒー云って喜んでいました・・・(やっぱり大人のすることじゃないな〜)

と、まぁ他愛の無い嘘なんですが(笑)、そんなアホな父のついた嘘で「よくこんな嘘つくよな〜」と思ったのが“魚群探知機”でした。

まだ小学校に上がる前に魚群探知機というものがあると知った私は父に魚群探知機がどんなものか質問しました。
と、父は真顔で
「海に猫を沈めて魚を探すんだ」
と云いました。
嫌だ、猫が死んじゃう!!と怒る私に父は大丈夫と云ってなだめ
「猫が死なないように四角いガラスケースの中に猫を入れて、猫がカリカリ(と父は同時に“カリカリ”する真似をした・・・)したほうに船を進ませるんだ」
と説明しました。

この時、幼かった私は空気を送るチューブが天井についた東西南北の文字を四方のカベに書いた猫入りの大きなガラスケースを想像しました。

「すごいね猫。くすとーのたんけんたい みたい(その頃、クストーの海底探検をテレビで見たので適当にそんなことを云ったのだろう)!!」

と感心しておりました(愚かよのう・・・)。
すると父は
「そうだ、猫は凄いんじゃ!野生の力じゃ」
と満足そうに答えました。

私が“魚群探知機”の真実を知ったのは、小学校にあがってからでした・・・・(勿論、父に嘘ついたと抗議したが笑われて終わった)

物心つくようになってから私が騙されなくなったので「つまらん」と父は不満を漏らしていますが(今も時々騙そうとする)、
いい年して騙される方が問題だろうと思います(笑)

まったく嘘つきおやじなんですから(笑)

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宝くじが当たったら、なに買いたい?

もちろん、ダイソンだ!
あとは貯金だ!
当たったことは、誰にも秘密だ!

などと言っていますが、宝くじなどは買わないんですよね~。
絶対当たるはずないから
くじ運の悪さは折り紙つきだし、ダイソン買うなら貯金したほうが早い。
去年、ダイソンを買おうとセコセコと貯金していたのですが年末の突然の松山行きで私のダイソンは飛行機チケットに化けました。
あぁ~、私のダイソン!(ま、日本製の掃除機でもいいが・・・でも性能が良いのは高いよ)

宝くじを買わない私ですから、占いも信じません。
ネットでたまにお遊び(勿論、無料のやつ)はしますけど(笑)

「巌窟王占い」をすれば、フランツで(あんなに良い人間ではないよ~)、
「ハゲタカ占い」では、アランで(コピー機を入れさせたり、「タイム・イズ・マネー」とか言ったりしないよ~)
「三国志占い」(になになさん、お世話になりました)では、よりによって劉備になりましたからね~(ギエーッ!)
って、劉備・・・嫌いなのに(贅沢を言わせて貰えば孫策が良かったよ~)。そのうえ、劉備のように人望もないのにね。
昔、流行した動物占いでは、「ペガサス」でしたね~、私は黒豹が良かった・・・・

まぁ、話のネタとしては面白いかなと思う程度。

*****

以前、働いてたところで「人相占い」が出来る人がいる(しかも当たると評判だった)というので同じ部の先輩が「見てもらおう」と言い出しました。

彼女は結婚する時期がいつなのか、どんな人と結婚するのか占って欲しいというのです。

顔見て、そんな事が分かれば世話無いよな・・・・

と思ったのですが、一緒に行かないと後で先輩に「集団(って言っても先輩と私だけなのだが)の“和”を乱した!」と喫茶店(カフェじゃないよ)でミッチリ絞られるのは明白でしたので付き合いました。

人相占いが出来るというおじさんに先輩は結婚の時期だの、どんな人と結婚するだのと色々アドバイス(・・・・?)してもらい、満足していました。

「あー、やっと終わったよ、仕事に戻れる」

と思って席を立とうとすると先輩が

「この子も見てあげてください」

などと言うではありませんか。多分、先輩は気を使ったのでしょう。
正直、いつ結婚しようがどんな相手だろうが一生結婚しないままでいようが興味が無いと思ったのですが、断れない状況だったため見てもらうことに。(これも先輩が言う「集団の“和”なのか・・・・)

まず第一声、

「君は占いを信じていない!」
あ~、あからさまに不審そうな顔してるしね、今。
「で、君は気が強くてお喋りだ!」
ん~、子供の頃は気弱だったけど、母に鍛えられて気が荒くなったかも。
「君が結婚する男の人は亭主関白でアパレル系に勤めている人だ!」
う~、亭主関白って嫌だな・・・って、なぜアパレル限定?

他にも色々アドバイス(??)してくれましたが、覚えていません(すいません、興味ないんですよね)。

・・・・その数ヵ月後に件の人相占いのおじさんに社内でバッタリ会いました。(大きな会社だったので、部が違うとなかなか会わない)

先輩と二人で挨拶をして(実はすっかり人相占いのおじさんの顔を忘れていた・・・)、先輩がそのおじさんと話始めたので私は自分の部へ戻りました。

暫くして、先輩が「あのオッサン、まったく適当や」と言って部屋に入ってきました。

と言うのも私が立ち去った後に、人相占いのおじさんが私のことを

「あの子の人相を見たら、物静かで大人しい子だねぇ~」

などと言ったそうです。先輩は

「なんや、あれ!この間と全然違うこと言ってるやん。私のほうの占いもアテにならんわぁ~。失敬やな~」

と、怒っていました。

・・・・いや、そもそもアテにするべきでは無いのでは・・・・

と心の中で思いましたが、もちろん口に出したりしませんでした。
そんな事を言ったら、たぶん「喫茶店に呼び出し」になるので・・・・(昔のマンガなら“八幡様の裏へ来な!”だな)

先輩はその後、めでたく結婚しましたが件の占いの内容と同じだったかどうかは知りません。聞いてなかったので。

ちなみに私はいまだにアパレル関係の人とお知り合いになったことは無いですね。

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あの頃は元気だった

私は夢をよく覚えているほうです。

で、月に一度くらい必ず見る夢があります。

それは

いつも物凄く汚れたトイレやお風呂場に足を踏み入れて「ギャーっ!!」と思っている夢

・・・・なぜ、頻繁にこんな夢を見るんだろう・・・・

と思っていたんですが

大学時代に住んでいたあの恐怖の不潔女子寮の思い出のせいだと気付きました(鈍いっ!!)。

自分で思っているよりずっとあの恐怖の女子寮にダメージを与えられていたんですね。(詳しく知りたい方は“なにもかもズルズルなのさ~♪”と思い出話のカテゴリーをご覧下さい。いや、酷い所だったんですよ。)

結構、やられていたんだなと思います。

*****

さて、恐怖の女子寮を出ることにしたのでとにかく次の住まいを見つけなくてはなりませんでした。

同級生の男子(大阪出身)は10月1日が不動産屋の解禁日(??)で引っ越したい人はその日に5時くらいから不動産屋の前に並ぶのだと言いました。

「はぁ??なんじゃそりゃ??」

と言うと

学生相手の部屋は年に2回、3月1日と11月1日に契約解禁になるのだと彼は答えました。

「関西だと敷金礼金のシステムが関東と違うし・・・そーゆーものなのだろうか??」

とにかく恐怖の女子寮から出て行きたい私は11月1日にバイトを休み早朝5時に目をつけていた不動産屋に並ぶことにしました。

が、5時に並ぶということは4時過ぎには起きていなくてはならないので前の日は徹夜をして備えることに・・・・

ちなみに店が開くのは10時でした。

当日、徹夜をした状態で4時半に寮を出てまだ暗い中、自転車に乗り不動産屋に行くと

店の前には誰もいない

とりあえず並んではみたものの誰も来ないし、なんだか不審者みたいな感じなので(新聞配達の兄さんにジロジロ見られた・・・・)一旦、寮に戻ることにしました。

が、寮に戻りかけたんですが

「すぐに条件の良い部屋がなくなる」

という同級生の言葉を思い出し寮に戻ってまた来るのも時間がかかるから「チョット、その辺りをブラブラと自転車で回って来よう」と考えました。ジッとしてても寒いし。

まだ暗い京都の鴨川沿いの道路を自転車で30分ほど走り不動産屋に戻ってみると

誰も並んではいない・・・・

仕方ないので(ってことはないけど)、何度も何度も自転車で上京区周辺を回り不動産屋に戻ることを10数回繰り返したのでした(最後のほうは寝ていないせいでハイテンションになりヤケだった・・・・)。

トータル4時間以上、不毛なサイクリングをしました。

つくづくバカですね

10時の開店時間になっても誰も不動産屋に並んでいませんでしたよ。

その日のうちに条件に合った下宿先を見つけ、まだ入居者がいるので部屋は見れないけれど(←ここが後日問題になってくる)来年の1月に引っ越すことにしました。

さて、私に嘘の情報を伝えた同級生を叱ると彼は

「勘違いしてた~」

とケロリ。

確かにそんなバカ話(解禁日って何?)を信じた私にも否があると思ったのでそれ以上は怒りませんでした。

が、彼には色々と貸しがあったので(ディスカッションの仕方とかを手ほどきをしたり色々と手伝わされた・・・・)

「今度、適当なこと言ったり不義理をしたら本当に怒るよ」

と言っておきました。

実際、1年後に彼はたいへん失礼かつ不義理なことをしたので私は本当に怒りましたけどね。彼にとってはチョット厳しかったようですね。それ以来、私の姿を見ると逃げるんですよ。横にいる友人がその姿を見て笑うほどでしたが。控えめに怒ったのに心外だ。でも、許さん。

それにしても、徹夜した挙句に4時間ほど自転車で走り回っていたなんて私も元気でしたね~。

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現場事務

今はもうしていませんが、以前は「派遣社員」をやっていました。

正直、派遣は自分にとってあまり良い働き方とは思わないのですが結構面白かったです。

とんでもないお局様がいる会社(「マンガみたい」と思った)や居心地の良かった外資系の会社、まったく余裕を持てずストレス満載で荒れまくっている受発注業務、呆れるほどに働かない職員のいる団体などなど・・・・

それなりに面白かったです。

と言ってもスキルになったかどうかは疑問ですが。(単に図々しくなっただけかも)

その中でも変っていたのは「マンション建築現場の事務」でした。

いや、これは最初の頃はキツかったですね。

私が派遣される前にいた人達はあまりのキツさに胃を壊して次から次へと辞めていったそうですから・・・

都内の高級住宅街の超高級マンションの現場事務だったのですが、

いや~、本当に忙しいんですよ。

「こりゃ、誰でも辞めるな~」

と思いました。

経験も浅くて要領よく仕事の出来ない自分に対して凄く腹立たしかったですね。

毎日、ヒィヒィしながら仕事をしていましたが辛いのは私だけではなく社員さん(現場監督たち)はもっともっと忙しいと知っていたので文句なんか言えません。

まぁ、私が必死に諸経費の計算をしている目の前で怒鳴りまくって喧嘩をされたりすると

「ウルサイ!!計算できないじゃないか!!」

と電卓を投げつけたくなったりしたこともありましたが。(喧嘩は外でしていただきたい)

荒れてたな~(笑)。

さて、数ヶ月後、

マンション(びっくりするくらい高級だった)が完成した時に打ち上げの飲み会があったのですが

現場監督の一人に

「皆さんが頑張ったから素晴らしいマンションになりましたね」

と話しかけるとこんな答が返ってきました。

「いえ、僕たちは設計して現場の監督をしただけです。本当に立派なのは良い仕事をしてくれた職人さん達です。職人さん達には本当に感謝しています。」

と・・・・

これを聞いた時、「契約終了まであと少しだし、至らないことろだらけだけですが私も最後まで精一杯勤めさせて頂きます。」と思いました。

私は心の中で彼に深く頭を下げました。

敬意を込めて

彼はまだ若いお父さんで忙しくて何ヶ月も子供と会っていなくて、たまに会っても深夜の帰宅になるので寝顔しか見ていないから寂しいと、お酒の席でこぼしていたのですが(結構酔っていた)、この言葉を口にする瞬間はシャンと背を伸ばし、とても真剣な眼差しをしていました。

私は時々、この時の彼の姿と言葉を思い出します。

忘れられない出来事でした。

*****

さて、

契約が終了した時に、職場の皆さんに送別会をして頂きました。

事務長は

反社会的な人が来た時の私の態度に

「いや~、肝っ玉が据わってるなと感心したよ。全然、ビビらないでお茶出してるからね~」

と誉めて(と事務長は言っていたが誉めているのか本当に???)くれました。

別の所を誉めて欲しかったですね。どーせなら。

ちなみに反社会的な人にお茶を出したら

「茶なんかいるか!!」

と怒鳴られたので

「じゃぁ」

と言ってお茶を引っ込めた(こっちも忙しいので構っていられないのだ)のも事務長のツボにハマッたようです。

それにしても反社会的な人はやっぱり偽○ェルサー○みたいな服着てるんですね~!!

どこで買うんだろアレ?謎だ!

あんなの売ってる店なんて見たことないよ。

送別会の席で事務長以外の人は

「すいさん、この現場は本当にたいへんな現場だったんだよ!この現場に耐えられたんだから、どんな現場事務でも耐えられるよ!次の現場も頑張れ!!」

と激励してくれました。

「そうですか、頑張ります」

と笑っておきましたが内心

・・・・いや、もう現場事務はこれで最初で最後にしたいです・・・・

と思ったのでした。

大体、私は現場事務専門の派遣じゃないし・・・・

ま、色々と面白かったです。

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一瞬、我が目を疑う

京都下宿シリーズです。

*****

今日のような秋晴れのある日。

いつものようにバイトを終えて、下宿に戻ろうとしていました。

「今日も男性下着売り場担当だったよ・・・・。明日こそ婦人洋品か婦人下着売り場を担当したいな。」

と思いながら(男性下着ばかりまかされてゲンナリだった)自転車に乗っていました。

私がバイトしていた洋品店は商店街の中のお店のひとつだったのですが

その商店街の端っこにはお肉屋さんがありました。

私は道を挟んだ向かい側のお肉屋さんに目線をやりいつものように通り過ぎようとしました。

「あれ?お肉屋さんの店先に大きな犬が2頭いる・・・犬っていつもいたっけ?」

目の端に止まったのは、店先にいる大きな茶色と黒の毛むくじゃらの生き物

「ゴールデン?ニューファンドランド?・・・・・犬???」

すでに道の向こう側にあるお肉屋さんから10メートル近く先に進んでいましたが何か気になる。

私は自転車を止めお肉屋さんの店先をマジマジと眺めました。

「犬??・・・・・犬・・・・じゃない?!」

よく見るとそれは犬ではなく

イノシシとツキノワグマでした。

「!!」

勿論、生きたイノシシとクマではありません。

しっかりお腹を裂いて内臓を取り出していました。

・・・商品だったんだ・・・

ちょっと近寄って覗き込んでみたくなりましたが大切な商品でしょうから、やめました。

「きっと料亭とかに出すんだろうな~」

などと思いつつ何度か振り返り、恐怖の下宿へ戻りました。

さて、次の日

そのお肉屋さんの横を通った時、すでにクマもイノシシもいませんでしたがお店には貼り紙がしてあって

「クマ肉、イノシシ肉、シカ肉 入荷しました!」

と書かれていました。

「昨日はシカはいなかったな~」

などと思いました。

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堪忍袋の緒が切れる

前回の続きです

〈額に青筋が浮かぶ・・・そろそろ我慢の限界か・・・〉

かなり寮暮らしにもウンザリしてきた頃、いつも行っている銭湯が一日お休みだと知りました。

他に銭湯を知らないので、

「仕方ない、あの寮の恐ろしい風呂を使うしかない」

と思い、その日はバイトから戻るとすぐに寮の風呂を洗いました。

久々に風呂場に足を踏み入れると案の定

ピンクぬめりでズルズルしていました・・・・(実話ですよ、実話)

・・・よくこんな風呂に入れるよな・・・

と必死で大掃除し終えると、そのまま速攻で大学へ。

さて、帰宅してから風呂場を除くと

トンデモナイ事になっていました

どんな風にトンデモナイ事になっていたかは・・・・言えません。(思い出すと体が痒くなる)

それにしたって、6時間くらい前に掃除したのに

なんでこんな有様になっているんだ??!!

どこまで汚いのが平気なんだ!!??

と、呆れました。

その日は、風呂に入るのを断念しました。

う~~っ。

風呂だけ我慢すれば・・・・ここの寮は安いし・・・でも、嫌になっていました・・・・

辛い・・・・

〈決定打を打たれる・・・君も掃除を手伝いたまへっ!!・・・〉

京都という絶好の観光地に住んでいたので千葉の友人が泊まりにやってきました。

勿論、前もって

「風呂は銭湯」

と言っておきました。

千葉からやってきた友人その1を迎えに行ってそのまま二人で寮に足を踏み入れた時に廊下に

パンツ(女性の下着ね)

が落ちているのを目撃。

「パンツ・・・・」

と絶句する友人を尻目に

「あぁ、たまに落ちてるんだよね。なんで気がつかないんだろう。」

と言ってソレをつまみ、掲示板のところに引っ掛けておきました。

それまで何度かパンツが落ちていることがあったからです。

『友人その1の証言』

パンツをハンカチを拾うが如く拾っていた私の姿を見てシミジミと

「すいさん、一日も早くここを出たほうがいいよ。なんだか動作が自然だった・・・・

*****

友人その1が観光を終えて千葉に戻って暫くしてから友人その2が泊まりに来ました。

彼女は

「すいちゃんが汚い、汚いって言っていたから覚悟して来たけど結構きれいじゃん」

と暢気なことを言っていました。

・・・そりゃ~、私が掃除してるからな・・・

さて、土曜日の夜だったので二人で酒盛りに。(今はお酒は飲みませんが)

彼女は東ドイツに留学していた時の愚痴話をしていたんですが、「リアルあいのり」状態で結構面白い話でしたね。まぁそんな留学は嫌だけですけどね、私は。ドロドロしてて。閉鎖された空間での恋愛って嫌だな。(あっ、でも「あいのり」って見たことないや)

深夜、いい感じで酔っていた彼女がトイレに行くと言って部屋を出て行ったんですが、すっかり酔いのさめた状態で戻ってきて

「すいちゃん、トイレ、トイレ凄い!!」

とうわごとのように呟いています。

・・・酔いが醒めたような顔してるけどやっぱり酔っているのか・・・

と思い部屋のドアを開けてビックリ

廊下がトンデモナイことに・・・

「!!」

トンデモナイものを踏まぬようにしてトイレを覗くとやっぱりそこもトンデモナイことになっていました。(本当にどーしたらああなるんだろうか・・・)

呆然として部屋に戻ると友人その2はなんとまだ空けていなかったワインをコップに注ぎながら私の顔を見てゲラゲラ笑い

「見た?!見た?!ビックリだよね?酔いが醒めたから、飲む~!」

などとトボけた事を言うではないですか。(この酔っ払いめっ!!)

そして

「すいちゃん、アレどうする?」

と聞いてきました。

「どうするも、こうするもないだろう。掃除をする!」

と答えて、トンデモナイものを踏まないように、バケツだの色々と掃除道具一式を用意して掃除をしました。

私が掃除をしている間、友人その2は酒瓶片手にドアの間から様子を伺っていたようです。(時々、声を殺して笑っているのが聞こえてきた。手伝え!!)

掃除を終えて部屋に戻ると、友人その2はトイレに行きました。

「いや~、キレイ、キレイ♪」(←この酔っ払いめっ!!)

「おかげで私はすっかり酔いが醒めたよ」

「いや~、お怒りごもっとも。ま、シラフではいられまい」

『友人その2の証言』

翌日、二日酔いで痛む頭を抱えながら

「いや~、目が据わって表情の消えたすいちゃんを見たとき、あぁ珍しくマジで怒ってるな~と思ったよ。夜中の2時過ぎに無表情で淡々と掃除してる姿を見て、思わず酒がすすんだよ。笑った。それにしてもさ、東ドイツの下宿でカビだらけの冷蔵庫を見た以上の衝撃だったよ~」

*****

一連の出来事ですっかり凹んだ私は実家に電話(その頃は公衆電話だった)をして、これまでのいきさつを話しあの寮から出て行きたいと告げました。

母は

「あぁ、やっぱり。廊下でパンツが落ちてるの見て酷いなと思っていたから。ところで、お金は貯めた?」

「うん、来年の授業料のために貯めてるやつを引越し費用にしていいならね」

「授業料は出してあげるよ~。安いし。(実際、夜学なので授業料は安かった)私も

あんな汚い下宿だと京都に遊びにいけない

と思っていたしね~、いいよ」

・・・・結局、自分の都合か・・・・

とは言うものの、この不潔寮を出て穏やかに過ごせるようになると思うと少し心が晴れやかになりました。

今となっては昔の出来事になってしまった京都の秋の思い出です。

*****

〈私信〉

になになさん、ありがとうございます!

誉めていただいて恐縮です。

あまり健やかな人間ではないんですが、そうありたいとは思ってます。

一応・・・へへへ

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堪忍袋の緒が切れかかる

恒例(?)の京都下宿シリーズです

引越し前の下見で目にした廊下に落ちていたパンツ(女子寮だったので勿論、女物のパンツだ)や

にっこり笑顔で押しの強い管理人さん(美しい女性)

当番になっても誰も一切掃除ををしないためズルズルになった風呂

暑さで溶ける壁の塗料

などに、びびってたじろいだ数ヶ月でしたが

風呂は取りあえず銭湯へ、自分の住むフロアーの水周りは取りあえずマメに掃除することによって私の寮生活もなんとかそれなりに快適になっていました。

が、そんな私を嘲笑うかのような出来事が・・・・・

*****

〈これは大した事では無いが・・・騒音は程ほどに・・・〉

ある晩、ノンビリと自室で本を読んでいると

ズバババババーーーっ!!

という物凄い水音が・・・

「なに?なに?」

と思わず身を起こすと次に聞こえてきたのは

「うるさいんだよ!!この馬鹿女がっ!!」

という怒鳴り声・・・・

・・・私?じゃないよね。本を読んでただけだし・・・

と、恐る恐る水音がするほうの窓から下を覗いて見ると

隣家の窓からホースが出ていて、そのホースから大量の水が私の下の部屋の向かって放たれていた・・・・

その時間、おそらく五分くらい。

その五分の間、隣家の住人の怒声は続いた・・・

「毎晩、毎晩、うるさいんだよっ!馬鹿女!!死ねっ!」などなど

・・・どひゃー、静かに暮さないとね・・・っていうか、この学生が問題なのか?それともお隣がおヒスなのか・・・

ちなみに隣家の怒鳴り声は女性のものでした。

〈いい加減にしてほしい・・・手がグーになっちゃうよ・・・〉

さて、バイトと大学生活の合間をぬってセッセとトイレ掃除と台所掃除に励んでいた私でしたが

ある朝、台所兼洗面所に向かうとそこには食事を終て汚れた皿が数枚ほど置いてありました。

・・・食べたらサッサと洗えばいいのに・・・

と思ったけれど、歯磨きと洗顔の邪魔になるので洗い桶に入れておきました。

夜、授業を終え戻ってくるとまだ汚れ皿はそのまま

・・・なんてだらしないんだ・・・

と、いささか呆れたもののそのまま放置。

翌朝、起きてもみるとまだ、あります。

・・・なんなんだ、一体・・・

その夜、授業を終えてから寮に戻るとさの皿には

しっかりゴキブリが集っていたのでした

怒!

すぐさま、洗剤をゴッキーに降り掛け瞬殺

まったく何なんだ一体!!ひとが忙しい合間をぬって別に当番でもないのにトイレ、ガス周り、台所兼洗面、床掃除をしてるのに!気を使って使うならまだしも、汚したい放題しおって!!

さすがに手がグーになりました。

実際、この頃は結構忙しかったんですよ。

昼食を抜いて平日はバイト。バイトが終わり帰宅、家の雑用、早めの夕食を学食でとる。その間、2時間ですぐさま授業。帰宅後、すぐに銭湯で入浴して帰宅後は語学(英語、フランス語、漢文など)の予習。勿論、論文や授業で行なうディスカッションの準備もあったので。

もっとも英語もフランス語も漢文の知識も卒業すると同時に私の脳から消えてしまったけど

腹立たしい気持ちでしたが、ゴッキーに這い回られるのは嫌なので皿を洗いました。

すると翌日、なんと皿は

消えていた・・・・

「!!」

その後、何度か汚れた皿が放置されていることがありました。

「洗うもんかっ!!」

と思うのですが、私が洗うまで放置してある・・・・

結局、汚い状態が嫌なので汚れ皿をあらうハメに。

しかも、私が寮にいない時を狙ったかのように汚れ皿を置き、キレイになったら回収していたのでした。

「私は掃除要員じゃないんだよ・・・。もぉ、ココを出て行きたいな・・・・」

と思うようになってきました。

ちなみに、今同じことをされたら

黙って皿を捨てます!

まだ、あの頃の私は甘かったな~。

つづく・・・・

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期間限定でモテる

と言っても、別に恋愛沙汰ではありません。

私がモテたのは試験の前だけでした・・・・(所詮そんなものさ・・・へっ)

以前にお話したように私が通っていた夜学は95%は男子。

ハッキリ言って真面目に出てくる連中はまずいない。

大抵、体育会系か雀荘に行ったりバイトに熱中し(デート費用捻出の為だ!許さんっ!)あまり授業に出ない。

数少ない女子は大抵真面目なんですがね。(女子と話している時は心安らぐ瞬間だった・・・・)

でもって、私もまぁ真面目でした。

まぁ、それまで息抜きばかりしている人生だったから

「大学くらいは真面目にやろう」

と思っていたからなんですが・・・・

と言うわけで、試験前に「わぁ、マズイ!!」と慌てた連中の格好の標的になったわけです。

「ノート貸して♪」

と四年間の間、何度言われたことか・・・・・

まだ、顔を知ってる見たことがある連中ならまだいいんですが中には

「アンタ誰???」

って男子もいる。

「まったく、なんだよ~!!体育の授業で苦しめられ(尤も、男子連中は己が汗臭いだの生着替えが鬱陶しいだの思われているとは知らなかったでしょうし、そのことについては彼等に罪はないんですけどね)、挙句の果ては『ノート貸して~』か・・・・ウンザリだよ。」

と結構、「ムッ」としていました。

とりあえず

「イヤじゃ」

と断ると

「単位落としたらオカンに殺される~」

などと、泣きついてくるのでした。(ウチの大学は成績表を親に直接送っていたのだった)

あまり断っても心の狭い奴と思われてもなんだかイヤだし(←それは違う。この頃、私は色々と勘違いしていたらしい)、「ホンマ、頼むわ~」と切々と訴えれるとどうにもこうにも断りにくくて結局、ノートを貸すハメに・・・・

4年の間、試験の前だけはモテたのでした。

嬉しくない・・・本当に

「お前ら、いつかぶっ飛ばす!!」って感じ。勿論、「チュ♪」は無しだ!!

もっとも私がただ貸しているはずもなく、ご飯を奢って貰ったりしましたし(そのくらいいいよね)、

結構、デカイ顔で過ごしておりました。

教授に

「すいさんはいつも腕組みして保護者みたいな感じだね~」

と言われるくらいだったので相当、デカイ顔してたんでしょうね。(おかげで国文専攻の集まりの時はいつも代表として引っ張り出されるハメに・・・・向いてないのに・・・・)

どっちもどっちってトコですね。

それにしても、試験の直前に(英語の試験だった)そこら辺にいる連中がみな私のノートのコピーを見ていたのには空いた口塞がりませんでした・・・・あまり言えばあまりでしたよ・・・

う~む・・・・

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面白かったので謝るの忘れてましたよ

私は今もケチらしいんですが(でも、使う時には使うよ~!!)、昔も勿論ケチでした。

友達の家で遊んでいて暗くなり電灯を点けて貰うと

「あぁ、勿体無い。まだ点けなくても大丈夫

などと言って顰蹙を買いました。(「明るいほうがいいじゃん!!」と怒られた)

今風に言うとエコ・・・・というか、ハッキリ言ってセコイだけなんですが・・・・

さて、そんな骨の髄までセコイ私が大学生の時に我が実家はエアコンを購入しました。

大抵の家にはすでにエアコンくらいあった時代ですが実家は購入が遅かったのです。

このエアコンが来て一番喜んだのは父でした。

が、セコイ私は今ひとつ気に入らない。

「風通しの良い家なんだから扇風機で充分。別にエアコンなんていらないじゃないか、もったいない」

などと思っていました。

さて・・・・

*****

実家で最も暑い部屋でダラダラ汗をかきならがら扇風機を廻し本を読んでいた私の耳に飛び込んできたのは父の怒った声でした。

まず、台所にいた母になにやら言っているようで、次にバタバタと私の部屋にやってきました。

へっ、ようやく来たか

部屋のドアを開けた父の顔はひきつり、手はワナワナと震えています。

ウヒヒヒ~、それにしてもリアクションがオーバーだな・・・・

「あれ~、お父さんどうしたのかな?(←イヤな奴)」

「おっ、お前かっ!!エアコン止めて、窓を全開にしたのはっ!!」

って、確認しなくても家族3人のうち私しかいないだろう、そんな奴・・・・

と思いつつ

「うん」と答えました。

そう、父が風呂に入ってる隙にエアコンを止めて窓を全開にしておいたのです。

と父は顔を真っ赤にして

「おま、おま、おま・・・(お前と言いたかったのだろう) ワシ、恥ずかしいっ!!

と言い出すではないですか。

なんのこっちゃと困惑していると父が事の顛末を話してくれました。

風呂から出てきた父はエアコンがついてると思い込んで全裸で窓際に扇風機を置いて涼んでいたそうです。

父は窓が開いてるとは気付かず、気分良く窓と扇風機の前で体を拭いていたそうなのですが風が窓から入って来た時にカーテンが大きくめくれ、たまたま外にいた隣のオジサンと

素っ裸のまま目が合ったのだそうです

「ワシ、ワシ、隣のオヤジに何もかも見られたんど!!」

と騒ぐ父。

なんだ、そんな事か、つまらん・・・・

「へぇ~、奥さんのほうじゃなくて良かったじゃん。見られて減るモンじゃあるまいし。」

とクサクサと答えると

「ばっ、馬鹿っ!!お前は見られても平気なんかぁ?!」

「へっ、男と女じゃ違うからね~。それとも何かな、見られて困るような格好でもしてたの?」

と逆に訊ねた後、いきなり全裸のオッチャンの姿が目に飛び込んできた隣の旦那さんのほうこそいい迷惑だったろうなと思うと不意に可笑しくなり自分が原因を作ったにもかかわらず

「いや~、隣のオジサンもビックリしただろうね~♪」

と大笑いすると、父もつられて笑って(さっきまで怒っていただろう面白い父だ・・・・)とりあえずもう二度とエアコンをコッソリ切るなと言い残して部屋から出て行きました。

イタズラをしたけど、謝らなかったなぁ~。ごめん、父よ。今さらだけどさ。

翌日、父が

「朝、隣のオヤジと会って挨拶したけど気まずかったど!!」

と口を尖がらせていたので

ニヤリと笑っておきました。

その後、父は母に

「あいつはロクなもんにならん!!」

とこぼしていたそうです。

まぁ、ね♪ふふふ♪

*****

やっぱり、杉浦さんは残れませんでしたね。(泣)

結局、Bブロックは秋山さんか・・・・

Aブロックは丸藤、斉藤彰俊さんが同点ってことで・・・・

もしかしたら、優勝者決定戦って秋山さんと斉藤さんになったりして。

だから、あのカードを武道館で用意してるのかな?

でもまだ、丸藤が上がってくる可能性のほうが高いかな?

ま、なんにせよ安心して静岡に行けそうです。(でも、台風が来てるのさ~♪また、新幹線止まるかな?

ところで最近、丸藤の体がまた変ってきましたね。

ちょっと前は「幸せ太り?」と思うくらい、ふっくらしていたけど

最近は筋肉が目立つようになってきて何やら新日の棚橋みたいになってきたような・・・・

これは本格的に・・・・・・

だろうな~。

なんにしろ説得力のある体じゃないと・・・・・ね。

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